キャリブレーションの方法には「螺旋状(スパイラル)」と「一点」と呼ばれる2つの方式をご用意しています。視線追跡の「精度」を求める場合にはデフォルト設定された「螺旋状(スパイラル)」方式をご利用下さい。精度以上にユーザーにとってのUXを重視する場合はキャリブレーション作業がより簡便となる「一点」方式を推奨しています。

「螺旋状(スパイラル)」キャリブレーションとは?

一般的に「Smooth Pursuit」キャリブレーションと呼ばれる方法で、注視点が画面中央から渦を巻くような動きで画面の外側に向かって動き、ユーザーはそれを眼で追いかけます。FOVEプラットフォームv0.17以降ではこちらの方式を標準としました。それ以前は一般的に広く利用される「Series of fixations」方式を採用していましたが、視線追跡精度がより正確で堅牢な方式を採用するために現在当社では同方式を非推奨としています。

「一点」キャリブレーションとは?

こちらは「FOVEプラットフォーム プロフェッショナル版」に搭載されている新しい方式です。画面中央に配置した注視点を1〜2秒間見つめるだけでキャリブレーション作業が完了します。

追跡精度の違いについて

以下ベンチマークは2方式それぞれでの視線追跡の平均精度を比較しています。画面中心から縦横±25度までの範囲で、精度誤差0度~3.0度をヒートマップで表現しています。

Smooth Pursuit Calibration

calibrationBenchSP.png

One Point Calibration

calibrationBench1pt.png

どちらの方式でも画面中央付近は非常に正確な精度結果を得られています。一方で、画面の周縁に向かうにつれて「螺旋状(スパイラル)」方式が「一点」方式に比べて精度を維持している(濃い緑色の箇所が多い)ことが分かります。

このベンチマーク手法や数値がどのように算出されているかについてご興味のある方は、当社が2021年のETRA学会で発表したこちらの論文をご参照下さい。(リンク先のPDFアイコンをクリックするとフルテキストが表示されます)

English Version:

Which Calibration Method Should I Use?